ストロベリー革命
 そして夜はやって来る。とても恐ろしい夜が。

 時刻は夜十時。外は真っ暗で月が顔を出している。

 本日見回り担当の直は美少女で通っているくせに、それはそれは酷い顔になっていて、美少女の影も形もない。

 一方の天花も昼休みの出来事が原因で、いつもの元気がどこかへ飛んでいる。

「……ほ、本当に見回りしないといけないのっ!?」

「直がねー……。担当は直なんだから頑張って来てねー……」

 魂の抜けきった天花に、この前のようなやる気はもうない。

「コラ―――ッ!! お前も行くの!! 俺一人で行けるワケないじゃんっ」

 直はそんな天花の肩を掴み、叩き起こすように前後にグラグラ揺すった。

「わかったよぅー。あたし役立たずでも知らないよー」

「なんでもいいから天花も行くの!!」

 二人は寮を出て学園へ向かった。

 脱け殻の天花でもいないよりはマシで、天花を盾代わりに、直は後ろをくっついて歩く。

 夜の学園は不気味で、何か出てくるんじゃないかというような雰囲気が漂っている。

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