ストロベリー革命
　直は天花のそばに駆け寄ろうとするが、伸一がそれを邪魔する。

　天花の顔に目をやると、いつもは見られない涙が流れていた。

　一回見た事あるが、それはホームシックと感動からきたものである。

　しかし今回は明らかに伸一が悪い。

　天花の涙を見た瞬間、直の中で何か熱いものがフツフツと沸き上がってきた。

　直は、油断して余裕をかましている伸一の顔をグーで思いっきり殴った。

　その光景は絶対ありえないもので、天花は目を見開いて驚く。

　当の伸一は後ろに倒れた。

「女の子に手を出すなんて最低最悪、人間のクズだわ。二度と私の前に現れんなっ!!」

　最初はちゃんとしたお嬢様言葉だったが、極めつけは素が出て、もう女の子言葉ではない。

　直は転けてうつ伏せになっている天花をおこし、自分の背中にやった。

「あたし大丈夫、一人で歩けるよー」

「うるさいっ!!　文句言うな」

　そのままおんぶして帰って行った。

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表紙・目次

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