君といれたら
いや…。


ここはとりあえず、俺が大人になろうではないか。







「とにかく!他の教室チェックしてくるから。それ、片付けとけよ?」




樹の机の上を指差し、廊下へと足を向ける。





「分かった」


「5分くらいで終わるから」


「うん」



彼女が片づけを始めるのを確認し、俺は隣の教室へと急いだ。








…泣いてた…よな?





思い出すのは、先ほどの涙の跡。






でも…。


起きたときの樹の様子は、むしろいつもより元気だったよな…。







嫌な夢でも見たとか?





んー。


わっかんねー。






1人首をかしげながら、もくもくと仕事を進める。








時刻もう8時50分。


ポケットの中のケータイが、かすかな音を立てた。




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