ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
意味深なことをいきなり言われて、きょとんとする私に対して。
「同じものでいいかな?」
空になったグラスを指さす。
「あ……はい」
ウェイターにまた、ワイルドターキーとカシスオレンジを注文している。
「裕香ちゃんは飲める方?」
「多分、それなりに飲めると思います」
「思いますってことは……限界まで飲んだことがない、とか?」
「倒れるまでは飲んだことありませんよ」
「そうか。社会人になる前に、一度自分の許容量を知っておいた方がいいと思うけれど、今日はやめといた方が良さそうだな。
絶対、虎になって俺が喰われるから、な~んて」
「……普通、逆じゃないですか?」
確かに、今日は美味しいお酒になりそうもないけど。
それにここって、かなり高いよ。
カクテル1杯の値段が、居酒屋さんの4倍位だもの。
ちゃっかりおごってもらっちゃうみたいだけど、いいのかな?
そういえば、コウさんがどんなお仕事をしているのかも全然知らないままだったっけ。
目の前に置かれたカクテルを頂きながら、ちょっと考えてたら。
「ほ~ら、泣き止んだ」
いたずらっぽく笑われた。