ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

確かに研修では衛生管理についても教わっていた。

船内では、万が一のことを考えて吐瀉物はゴム手袋をはめて、マスクをしてから処理する。

ウイルスや臭いの拡散防止に、新聞紙などを被せてから、素早くその準備をする事と、マニュアルにも載っていた。


それを全部無視してとっさに私が取った行動は、一歩間違えると船全体の問題になってしまう。

パーサーの怒りはごもっともだった。

そして、パーサーの対処は迅速で適切だった。


男の子にティッシュとエチケット袋を渡して、そのままカウンターへ誘導。

船内放送でご両親を呼び出している間に、酔い止めバンドを彼の手首に装着。

ミネラルウォーターと、子ども用の乗り物酔いの薬を用意して、ご両親が「飲ませる」と言ったらすぐ飲めるように準備。

その合間に、身動きの取れなくなっていた私を素早く事務室に誘導して


「ここでエプロンを外して洗っていなさい。

君は大丈夫か?」


と、気遣ってくれた。


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