ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
「こうされたら、自力で逃げられるか?」
その問いの意味を、即座に判断した。
『さっきのお客様からこうされた時、自力で逃げられるか?』
ということを聞いているんだって。
力なく、首を振るしかなかった。
「だから絶対に、何か頼まれた時も私を呼びなさい」
これには、首を縦に振った。
「返事は?」
目線がさっきより、柔らかくなった。
「はい」
「よろしい。
新人は色々な経験を積む必要があるが、襲われる経験はいらない。
そうだろ?」
同意を求められて、素直に頷く。
もし、こうされたのが工藤さんだったら……考えただけでも恐ろしい。