ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「あの……ですから、明朝伺いますと申し上げましたが」


腕を振りほどこうとしたが、無駄だった。

びくともしない。


どうしよう。

これ以上抵抗したら、かえって相手を刺激するかも知れない。


「明日の朝じゃあ、ダメだって!

今夜しか一緒にいられないんだからさ。

俺の部屋でDVD見るって約束しただろう?」


いつ、そんな約束したの!?


「私達は、仕事以外でお客様のお部屋に上がることができません。

どうかそれだけはご勘弁ください」


「客がいいって言ってるんだからいいんだよ!

ただ、一緒にDVD見るだけだって」


……絶対、それだけじゃないことは、私にだってわかる。


「DVDを見るだけ、ですよね?」


「そう、岩谷さんと二人きりで、落ち着いて酒でも飲みながらね」


にやりと、いやらしく笑うその顔を見て、寒気がした。

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