ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「へえ、岩谷さん自ら誘ってくれるなんて嬉しいなぁ」


誘いたい訳ないでしょ、と苦々しく思いながら、何とか逃げることを考えて、出した結論。


「ついてきてくださいね」


また、笑顔を振りまきつつ。


「こちらです」


誘導した先は、乗組員のプライベートスペース。


「もしかしたら、岩谷さんの部屋に案内してもらえるの!?」


「そうです。狭いですけれど、ちゃんとDVDもありますよ。

あ、ソフトは私の部屋にあるものでいいですね?」


「もちろん。酒もある?」


「はい、カクテルとビールが冷えてますよ」


頭の中で、これからどうすべきかフル回転で考えていた。

まずは私達の部屋へ誘導して、まどかと二人がかりでお引き取り願ってみよう。

工藤さんのことはまどかにも話してあるから、きっとすぐ事情を察してくれるだろうし。

ダメだったら、2人で叫ぼう。

乗務員みんな呼ぶ位の勢いで。

こんな夜中に迷惑極まりないだろうけれど。

……そんな騒ぎを起こしたら、パーサーにまた叱られそうだから、なるべく穏便に。

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