ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
「そのブーケ、君に向かって投げてくれてただろ?」
2人きりのエレベーターの中で言われた。
コウさんにはバレてたみたい。
「そうですよ。
私の幸せのために、絶対受け取ってねって言われてました。
菫にはうっかりバラしちゃったんです。
私も松本先生を好きになりかけたってこと。
だって、2人が付き合っていた事は、ずっと内緒にされてましたから。
それでも菫はずっと態度を変えずにいてくれたんです。
だから、私は菫のためにも早く立ち直って新しい幸せを見つけなきゃ」
「なるほどね。
あともう一つ、効果絶大な幸せになれるジンクスがあるんだけど、試してみる?」
「え? なんですか?」
その時、エレベーターがロビーに着いて、ドアが開いた。
エレベーターの振動と、カシスオレンジ5杯が効いている私は、ちょっとふらつく。
「危なっかしいから、つかまって」
腕を出された。
「あ、ありがとうございます」
素直にその腕へとつかまって歩き出す私。