ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
車で5分ほどのところにある、ショッピングセンターへ。
「調理担当の裕香ちゃんに任せるから、好きなモノを買って」
隣でカートを押してくれるのがものすごく照れくさいんだけれど、今は食材を吟味することに集中しよう。
お野菜とたまご、お肉とお魚と……。
「なんか、いいよな~。
そうやって、真剣に食材を選んでる姿。
俺においしいものを作ろうとして、頑張ってるって考えたら、さらに可愛く見えてきた」
「なにをいきなり言うんですかっ!」
お豆腐をカゴに入れる時、そんなことを至近距離で言われて、顔から火が出そうになった。
この人が、あの厳格なパーサーと同一人物とは、どうも信じがたい。
さっきもはぐらかされちゃったし、絶対に何かあるんだということを確信した。
コウさんがどうしても秘密にしておきたかったこと。
松本先生には言えて、私にはまだ言えないその秘密を、私に打ち明けてもらわないと。
私もコウさんを心の底から信じられず、前にも後ろにも進めない状態に、不安と寂しさを感じた。