ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
ひとりの時間を邪魔したくないので、声をかけずに過ごそうと思った。
寝室の電気をそっと点ける。
ベッドの反対側にある、本棚を眺めた。
経済学、商学、マネジメント、海洋学……。
お堅い本の奥に、ひっそりとクラシックの本が並んでいた。
これなら、私も興味がある。
『演奏家としてのリスト』
面白そうなタイトルを見つけて、手を伸ばした。
本がぎゅうぎゅうに詰まっていて、なかなかその一冊だけを取り出すことができず、隣の本数冊も一緒に出してしまった。
すると。
本棚の奥に隠すように青い布が見える。
もしかして『見つかったらまずいもの』だったりして。
でも、確かこう言っていたよね。
『見られちゃまずいものなんてないよ』って。
じゃあ、見てもいいかな?
好奇心から、その布地を引っ張り出してみた。