ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

埃にまみれて出てきたのは、巾着袋だった。


私の掌より少し大きいそれには、何か固いものが入っている。


中を確かめてみたくて、蝶々結びされている紐をほどいた。


巾着袋を開けようとしたその時。


しーんとしていた室内にノックの音が響いて、びくっとした。


「裕香ちゃん、眠れないのか?

電気が点いてるみたいだけど……」


ドアが、そっと開く。


床にぺたんと座って、巾着袋を握りしめたまま固まる私。


悪戯をしているところを見つかった子どものように、狼狽していた。


だけど。


驚いているのはコウさんも一緒だったみたい。


ドアを開けて、私が手にしたものをみるなり、固い表情でこう言った。


「もう、みつけたのか」

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