ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

慌てて弁解した。


「中は見ていません」


まだ紐を緩めていない巾着袋を渡した。

コウさんは、大事そうにそれを受け取った。


「でも、俺が来なかったら、見てただろ?」


やっぱり『見てはいけないもの』だったのかな。

叱られるのを覚悟して、恐る恐るコウさんの顔を見上げた。


さっきとは違う、いつもの優しい顔に戻っていた。


「多分、見ていました」


「俺が逆の立場でも、絶対見てるだろうな。

でも、見ても何だかわからなくて、がっかりすると思う。

ゴミと勘違いされて捨てられちゃうようなものだよ」


首をかしげて、考えた。

固くて、平べったいものだったけど……。


「今日はもう『リスト』でも読んで眠るんだ。

明日の初デートに備えて、な?」


青い巾着袋と一緒に、コウさんは寝室から去って行った。

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