ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

いなくなった、という言葉に、ぞくっとした。

聞くのが怖い。

だって、いい話ではないと予想がつくから。

それでも知りたがったのは、私。

最後まで、コウさんの話に向き合わなくては、先に進めない。


「それで、お父さんとお母さんは……?」


伏せられていたコウさんの目が、私を見た。

言おうか言うまいか、迷っているような表情。


「教えてください」


私の覚悟は、揺るがないから。



「……港で見つかったよ。

いつも父を見送った港の岸壁から、車で飛び込んだんだ。

状況から心中として処理された。

遺書には、俺に対する詫びの言葉だけが書かれていた」



< 234 / 332 >

この作品をシェア

pagetop