ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

コウさんのご両親の壮絶な最期。


それを否が応でも受け止めなくてはならなかった、コウさんの心情。


言葉が、見つからなかった。



「遺書には、こう書いてあった。


『すまない。

不甲斐ない親の元に生まれてしまった航平と一緒に逝こうと思ったが、赤ん坊の頃と変わらない寝顔を見ていたら、決心が揺らいだ。

父さんは、罪を犯した訳ではないということだけ、信じて欲しい。

やっていなくても、罪を認めないと帰国できなかった。

漁師しかできない父さんは、船を失って、負債だけを抱えてしまった。

そんな親を持つことは、航平にとって重い十字架を背負わせることとなる。


憎まれても仕方がない。

だけど、父さんと母さんは、ずっとお前の事を見守っている。

この広い海のどこかで、お前の人生に凪が訪れることを』


両親は、俺が思うよりずっと疲弊していた。

生きる希望が無くなった2人は、一家心中を考えて……やめた。

その代わり、自分達の存在を消すことで、俺の未来を守ろうとしたらしい」


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