ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「私では、力不足でしょうけれど……。

吐き出してください、今までのこと。

事実だけじゃなくて、その時のコウさんの感情も。

小学生のコウさんは、きっと翌朝頭痛がする位泣いて泣いて……」


失くしてしまった家族と、今までの幸せな時間。

お父さんの形見の船のかけらを見ながら、きっと沢山泣いたはず。


以前、船の上で言っていた言葉を思い出す。

『泣いた翌朝は、頭痛がする』って。

このことと、きっと関係がある。


私が泣いていたあの日。

コウさんはほっとけなかったんだ。


立場も悲しみの度合いも全く違ったけれど、誰にも見られないようにこっそり泣いていた私。

今までとは全く違う環境にとび込む予定の、自分の部下になる女の子。

何とかして励まそうとしてくれたのは、自分のかつての姿を重ねたせい?


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