ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

……コウさんは、優しすぎる。

そんな、優しい男の子に育ててくれたお父さんとお母さんは、愛情いっぱいの家庭を築きあげていたはず。


その家庭が一気に崩壊した時のコウさんの気持ちを考えたら。

視界がぼやけてくる。



「……ごめんなさい、何か、勝手に……涙が出てきちゃった……」


コウさんが、困惑した顔を見せた。


「女の子に泣かれるの、弱いんだよな。

ごめん、ここまでにしておこうか?」


落ち着いて話を聞くはずだったのに、私が泣いてどうするの!?

私がこんな感じだから、子ども扱いされるっていうのに。

でも、溢れた涙はそう簡単には止まらなかった。

まだ子どもだったコウさんが流した涙を考えたら……。


「気にしないで、話してください」


泣きながら、でもきっぱりと目を見て答える。


「了解。俺も、裕香ちゃんにはきちんと知っておいてもらいたいから」


泣き顔の私と、すっきりした表情のコウさん。

出会った時と同じ、労わるような視線で私を見て微笑んでくれた。


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