ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
「あら、航平君、戻って来てたのね」
職員室に入って、早速声をかけてくれたのは、おそらく40代と思われる女性。
「ご無沙汰していました。やっと時間が取れたので、ご挨拶にと思って」
後ろにいた私を、隣に並ばせた。
穏やかな表情を浮かべた女性に、会釈すると。
「そちらの方は、もしかして?」
「この夏に、彼女と結婚します」
コウさんがそう言った途端、女性の顔がぱぁっと明るくなった。
「おめでとう! やっとお嫁さんを連れてきてくれたのね!」
コウさんの手を握って、それから私の手も握ってくれた。
「可愛いお嬢さんを、私に紹介してくれないの?」
そうだった、まだ、名前すら言ってなかった。
ポケットから名刺を出そうとしたら、コウさんがそれを制止した。