ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「そうでしたね。

彼女は岩谷裕香です。同じ会社に勤めています」


「よろしくお願い致します」


「私は、みんなから妙子先生って呼ばれているわ。

航平君がここに来た時、まだ採用されたばかりだったの。

今じゃすっかりおばちゃんになってるけどね」


ふふふっと笑って身体の向きを変え、机の引き出しを開けている。


「あ、あった。これ、きっと彼女なら見たいはず!」


出してくれたのは、ポケットアルバム。


「どうぞ、ゆっくりお茶でも飲みながら見てちょうだいね」


職員室の端にある、応接セットに座るよう、促された。

その言葉に甘えて、アルバムを見せてもらう。

コウさんの姿を探してみた。


あ、これかな?

面影はしっかりある。

小学生のコウさんが、どこかの広場で遊んでいる様子。


「これはね、建て直す前の【ちしま学園】の園庭だったのよ。

火事で全焼してしまって、建て直されたの」


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