ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「火事、ですか?」


「そう。航平君がここを出る直前にね……。

航平君をはじめとする、当時の高校生が頑張ってみんなを逃がしてくれたお蔭で、誰も取り残されずに済んだの」


だから、この建物はまだ割と新しいのも納得できた。

誰も取り残されずに済んだっていうことは、みんな無事だったっていう事、かな?

あまり深いことを聞いてはいけないような気がして、私はまたアルバムを見ることに集中した。


また、見つけた!

コウさんがアップライトピアノを弾いている姿。

しかも、これはクリスマス会じゃないかな。

ピアノの横に、ツリーが飾られていた。


私の前では、コウさんはまだ一度も演奏してくれたことがない。

やっとコウさんの家に荷物を運んで、ピアノもオーディオルームに入れたんだけど。

何か弾いてって頼んでも

「プロの裕香に聴かせられるような腕前じゃないから、遠慮する」

と言って、断られてしまう。


もしかして、ここに来た今が、コウさんのピアノを聴くチャンス!?

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