猫と犬はどちらがツンデレ?【MENS企画】
物事は、一辺から成り立ってるわけじゃない。
表から見ることも出来れば裏からも、右からも、左からも見ることが出来る。
ましてや。
自分が思ってる“表”が実は“裏”かもしれないわけで。
なんてことを。
ついつい悟ってしまったような気分にさせる彼女の言葉の力に。
俺はきっと一生勝てないのだろう。
やれやれ。
「ねぇねぇ」
「なんだ」
「今晩はおでんがいい」
「却下だ」
「なんで」
「しばらくはんぺんがみたくない」
「は? 苦手だっけ? アンタ」
「しばらくは、な」
「買わなきゃいいじゃない」
「や・だ。他のならなんでも作ってやる」
「じゃ、満漢全席」
「な……」
「じゃなきゃおでん」
「わかったよ……」
「わ~い」
「じゃ、買い物いくぞ。そのくらいは手伝え」
「ん~。まぁいっか。今日は障子の貼り替えしてもらったし。ご褒美ということで」
ご褒美じゃないと俺は手伝ってもらえないのかよ。
くそ、こうなったらマジで満漢全席作ってやる。
あ、そうだ。
「ところで」
「ん?」
「なんでお前もあそこで寝てたんだよ」
「え。だってあの部屋で1番居心地がよかったから」
「……猫かよ」
だとしたら俺はさしずめ、飼い主に従順な犬ってか?
まあ、確かに犬派じゃあるが──
──猫も割りと好きだったり、な。

