【短】ラストからスタートするラブ
「孝裕がさ、真希ちゃんと話したいって言ってんだけど」


孝裕っていうのが、もちろん元彼のこと。


そんなこと言われても、どうしたらいいのか分からない。

今更過去を掘り返されても、辛い思い出しか出てこない。


何度も忘れようとしたのに、何で邪魔するの?


「……困ります。今は友達といるので無理です」


そんなあたしの決断を三人は無言で見守ってくれてる。


「分かった。孝裕にそう伝える」


それだけ言って、席に戻って行く田辺先輩。

田辺先輩がいなくなったのを確認して、実湖が口を開いた。


「本当にいいの…?」


「うん。ビックリしたけど、もう終わったことだし!」


あたしは精一杯の笑顔で、なるべく明るく声を上げた。

顔が引き攣ってるのは、自分で分かったけど。
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