【短】ラストからスタートするラブ




「お腹いっぱい!」


「俺、メタボみてぇなんだけどっ」


あれから吐きそうなぐらい食べて、席を立ったあたし達。

支払いを済ませて外に出た。


「二次会どうする?やっぱカラオケ?」


「えー!この前行ったばっかじゃん」


誠と実湖が言い合ってるとき、突然あたしの後ろから声がした。




「真希っ」


聞き覚えのある懐かしい声の方へ振り向くと、真冬の冷たい風がスーッ吹いた。


距離にして三メートル。


片想いの頃、ずっとずっと見てたのに、なかなか合わなかった目が……

今、真っ直ぐあたしを見つめてた。


「5分でいいから、時間くれない?」


こんなに切なげで真剣な目を、あたしは見たことがない…。
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