氷の壁 -あなたとの距離- 【中編】

side 梓

知らない子たちがたくさんいる。
当たり前だよね、みんな違う中学から来てるもの。

わたし――遠山 梓と同じ中学から来た子は大勢いるけど、

さらにその倍くらいの人数がみたことのない子。



「梓!おはよう」



この子は同中の詩織。


あまりクラスで目立つ方ではないけれど、明るくて優しいコ。


詩織とわたしは親友。



「おはよ、詩織!クラス表見た?」

「まだ。人が多過ぎて・・・」

「じゃあもう少し待ってよっか?」



わたしと詩織はそこにあったベンチに座った。
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