氷の壁 -あなたとの距離- 【中編】
遠山 梓は、セイジお兄ちゃんに視線を向けた。


そして睨みつけた。



「あなた、誰ですか?」



そう言って。



当人のセイジお兄ちゃんは少し困惑している。


「やだなぁ。なんか、俺が悪いことやったみたいじゃん。てか、君、天音の知り合い?」

「クラスメイト・・・友達、の遠山 梓です」

「へえ!天音、友達できたのか!」


「しかもこんなに可愛いコを!」と付け加えた。


まあそりゃ可愛くて、しっかりしてて、モテそうな人だ。



「それより、あなたは誰ですか」

「俺?俺は天音のイトコの伊藤セイジ」

「で、伊藤さん、天音に謝って」

「はぁ?」




セイジお兄ちゃんが眉をひそめた。


この顔は・・・!
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