どうしようどうしようどうしよう


彼は困惑する



神が与えたモノ それは、毒。

生涯をかけて彼の心を蝕む毒。


絶望は、彼の精神をいとも簡単に破壊した。

彼は困惑する


鉄の塊が彼を脅迫する。脅威となって立ちはだかる。

彼はパニック障害という病気という名の一時的精神状態に陥る。

それでも彼は変化を望んだ、更なる猛毒を私に浴びせてくれと言わんばかりに神に懇願した。


これでいい これこそが、私の望んでいたもの
神は私にチャンスをお与えになった。

人類の進化の可能性。

悟りさえそこにもうすぐそこにあると感じた。
仏や神と肩を並べる存在に変容できる。
彼は、内心、満足さえしてしまっていたのである。


普通という言葉はもう彼には違う世界の言葉になってしまった。

こんなものじゃない。さあ、さらに私を追い詰めてくれ。
彼は願う。

世界の自分の変容を。


もはや、彼は神とも化け物とも違う存在だった。

ヒトという入れ物に入れられた神になる可能性。
堕天使とでもいうべき精神を持った感覚の集合体。












それが彼だった。
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