「のーたいとる。」*アンパンマン恋愛バージョン
二人のヒーローが、黒い姿の彼のUFOを睨(にら)んでいる。

静かに着陸すると黒い姿の彼は中から出て二人に話しかけた。

「しょくぱんまんに、あんぱんまん、と」

「なんのつもりだ! ばいきんまん!」

「お前に頼みがあるんだ」

「え、ぼくに?」

「ああ。もし頼みを聞いてくれたなら、もうこの街で悪さはしない」

赤いマントのヒーローは目をぱちくりさせながら白いヒーローを見ている。

二人には黒い姿の彼の思惑など、分かるはずもない。

黒い姿の彼はいつものようにワルぶった声で、元気よく「作戦」を伝えた。


作戦、とは言うものの、それは彼自身の願い。

幸せ。

理想。

二人は黙ったまま聞いている。話し終え、しばらくの時間がたった。


赤いマントのヒーローが口を開く。

「どうして、そんなことをするの?」

「どうだっていいだろう。俺様はオレ様のやりたいようにやってるだけさ」

「そう、なんだ……。しょくぱんまんはどう思う?」

白いヒーローは黙ったまま頷(うなず)いた。交渉成立だ。

黒い姿のヒーローは二人よりも少し上を見ながら、涙が零(こぼ)れないように言った。

「じゃあ、そういうことだからな! はっひふっへっほー!」

そのまま。黒い姿の彼はUFOに乗ってどこかへと飛んでいってしまった。

ヒーロー達はそれをいつまでも見送り、見守っていた。

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