「のーたいとる。」*アンパンマン恋愛バージョン


夕焼けになった。

黒い姿の彼が戻らないことを不審に思ったオレンジ色の彼女は街に出てみることにした。


スポーツカーのような形をしているUFOに乗り、あちらこちらを探していた。

しかし、人々はいつも通り平和な暮らしを享受(きょうじゅ)している。

彼が何か悪さをしている、というわけではなさそうだった。

帰ってくるのを秘密基地で待とうと思っていたその時だった。

白い姿のヒーローが、オレンジ色の彼女に話しかけた。

空の上で夕焼けに染まった彼の顔はどことなく悲しげだった。

「どきんちゃん。ちょっと話があるんですが」

「しょくぱんまん様! どうしたんですか?」

「いえ、一緒にジャムおじさんの家に来てください。そこで、少し話があるのです」

「きゃーん! 嬉しい!」


空の散歩を楽しむこと十数分。

パン工場には工場長と助手、丸い顔をしたヒーローと犬がいた。

いつもなら香辛料の香りがするヒーローもいるはずなのだが、今はパトロールに行っているらしい。

白い姿のヒーローが話を始めた。

「どきんちゃん。あのですね。ばいきんまんと暮らすのはやめてください」

「え、ええと…………どうしてです、か?」

「私たちと一緒に暮らしましょう。わたしは、どきんちゃんと暮らしたいです」


「えっ! しょくぱんまん様……!」

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