月光狂想曲Ⅱ‐悪魔の花嫁‐
『ナメてるのはそっちでしょ。』
胸倉を捕まれているのをこれといって気にした風もなく、グレネディアはお面を外した
『シルフィアに手出すとか、死にたいの、人間。』
「は………?」
『あ、でも仮にも俺は裁く側だし、人間殺すのはダメか。
怒られる。』
「ごちゃごちゃいってんじゃ…。」
『とりあえず…。』
男の怒鳴り声は途中で遮られ、グレネディアと目が合った途端青ざめた
その目は細く、明らかな殺意が篭っていたのだ
『成敗?』
グレネディアが軽く男にデコピンをすると、男の身体が勢いよく吹っ飛んだ
「ちょ、グレネディア!!
私はもう大丈夫だし、やり過ぎよ…!!」
『大丈夫、死なない程度。』
なんだなんだと集まりだした野次馬から、私は逃れるようにグレネディアを引っ張って走る
「殺さなければいいわけじゃないでしょ!
それにあんな力使ったら、ばれちゃうよ!」
『それも大丈夫、吹っ飛ぶと同時に記憶も飛ぶ仕組み。』