月光狂想曲Ⅱ‐悪魔の花嫁‐
「大丈夫だよ…、僕はそのために…。」
彼が呟きかけると、窓が勢いよく割れる
『…臭い。
これはあいつたちとまた違う悪魔の臭い。』
「!あれは…!!」
私は割れた窓を見上げると、そこに妖艶な姿をした女の悪魔がこちらを見下ろしていた
『シルフィアさん見っけー♪
んふ、人間界に下りてくれて助かったわー。
私からウァルド様を奪った報い、その血肉で償って貰うわぁ。』
『…悪魔風情が五月蝿いな。』
グレネディアが私を庇って前にでるが、それよりもさきにアランくんが悪魔に近寄った
「アランくん!
まさか悪魔の放つ魅力に引き付けられたんじゃ…!!」
『違うみたいだよ、シルフィア。』
グレネディアが笑うと、私もアランくんの様子が可笑しいことに気づく
「アラン…くん?」
『面白い。
ウァルドの強敵出現だね。』