月光狂想曲Ⅱ‐悪魔の花嫁‐




アランくんから、どこかで感じたことのある気配がする

これは…グレネディアに似てる

「天使…?」

『まさか、アイツは人間。』


「じゃあ…。」

『あいつ、悪魔払い師…エクソシストだ。』





瞬時、アランくんの瞳が怪しく光る


「くくっ…。
標的みーっけ。」


アランくんの口元が緩められ、笑い声が聞こえる

「悪魔さん、僕の前に現れたってことは…死にたいんだよね?」


その速さは私には見えなかった

人間では有り得ない跳躍力で窓まで飛び上がると、驚いた顔をした悪魔の衿元を掴む

「せっかくの美人だけど、ごめんね。
さようなら、アーメン。」

アランくんの手に握られた十字架から光が放たれて、苦しそうにもがく悪魔の姿が見えたかと思うと灰になって消えた





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