月光狂想曲Ⅱ‐悪魔の花嫁‐
『死にたいのか?
お前は毎回一言多い。』
『そーそ。
五月蝿いよ、半混血者。』
『なんやなんや。
二人してー…………って、え!?』
「グレネディア!」
そこには何食わぬ顔でウァルドの横に立っているグレネディアがいた
『っ…いつの間に!』
『気配に気づかないなんて、あんたも落ちたね、ウァルド。』
わざと落胆した顔を見せて、グレネディアが振り向いた
『久しぶり、シルフィア。』
無表情だった顔に、微かに微笑みが宿る
彼には前に一度記憶を奪われて、危うく結婚させられる寸前だった
今は子供の身体でいるが、本当はもう青年である
なぜ本当の姿を隠すのか、それは彼が聖天使で悪魔ではない存在だから
なのでウァルドたちも思いがけない侵入者に驚きを隠せないのだ