月光狂想曲Ⅱ‐悪魔の花嫁‐
『なんや、家宅侵入罪やで!!』
悪魔や天使にそんな法律があるのか、と思いながらも私はグレネディアの返答を待つ
『本当うるさい。
結界が弱すぎるのが悪い。
そもそも、クリスマスなんて楽しいこと聞かされたら来るしかないね。』
『え゙。』
仁の表情が強張る
『最も…、悪魔の法廷長に知らされたいんなら話は別だけど。』
『な…なんや!!
脅しかいな!!
ぜっ全然そんなことされても痛くも痒くもないわ!』
仁が強がって言うが、態度からはっきりと動揺が見て取れる
法廷長にバラされたりなんてしたら、百パーセント魔界追放になるだろう
「仁…もういいよ。
私諦めるから。」
『せっ…せやけど!!』
するとグレネディアが深くため息をつく
『だから…やめさせるつもりは毛頭ない。
誰が喜んでシルフィアの残念そうな顔を見る?
嫌だね。
俺は見たくない。』
「え?」