楽園の炎
「朱夏様、まだですって。先にこれを外して・・・・・・。落ち着いてくださいよ」

アルも慌てて、朱夏から衣を取り上げる。
衣装係が、手早く下着を取り去っている間に、セドナが扉のほうに行って、夕星の対応をした。

とりあえずアルが寝室の扉を閉め、セドナは夕星を居間に通す。
ようやく朱夏は、元の格好に戻り、ふらふらと居間に出て行った。

「ああ・・・・・・疲れた」

「何だ、ドレスが来たんだろ?」

「うん。着てみたの」

「それだけで、そんなに疲れたのか?」

こくんと頷く朱夏に、夕星は呆れたような顔になった。

「ちょっと着てみただけでそんなに疲れて、どうするんだよ。式は一日がかりだぜ」

ひく、と朱夏の顔が引き攣る。
だが考えてみれば、当然なのだ。
何せ、皇家の結婚式なのだから。

夕星は座ったまま、ひょいと身を乗り出して、寝室のほうを覗いた。

「ふ~ん、あれがドレスか。見たかったな。・・・・・・いや、当日まで楽しみに取っておいたほうが良いか」

トルソーにかかったドレスを眺め、にやにや笑う。
< 702 / 811 >

この作品をシェア

pagetop