楽園の炎
「さあ、では嫌なことは忘れましょう。後は陛下にお任せして、朱夏姫様は夕星様のことだけお考えなさい」

にこりと笑って、皇后は見るも豪華な首飾りを手に取り、朱夏の首にかけた。

「ドレスはなかなか豪華でしたでしょう? 宝石も、それに見合ったものにしなくてはね。これぐらいでないと、映えませんわ。・・・・・・そうだわ」

くるりと振り向き、皇后は竜を呼んだ。

「ダイヤにしましょう。守り刀が映えるように、二連になったものとかが良いわ。ああ、普通のダイヤより、朱夏姫様の肌に映える、カラーダイヤが良いかしらね」

「それでしたら、とっておきが。ブルーダイヤの首飾りがございます。全体にブルーダイヤがちりばめられているので、それはそれは華やかでございますよ」

竜が言いながら、いそいそと荷物の中から重厚な箱を取り出す。
初めに首にかけられたものも、大概素晴らしかったが、竜の言うブルーダイヤの首飾りというのは、今この場に出ていないところからしても、それ以上ということだろうか。

朱夏の前で、竜はおもむろに箱を開けた。

「・・・・・・うわぁ・・・・・・」

朱夏の目が見開かれる。
宝石のことなど、さっぱり知らない朱夏でさえ、一目で他の宝石と違う、ということがわかる。

箱の中には、真っ白な絹の上に、薄青の首飾りが鎮座している。
まさに『鎮座している』という表現が相応しい、見る者の目を惹きつける、素晴らしい首飾りだ。
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