Hello my sheep
◇
布団に入っていたからか、ずっと人肌を感じていたからか、かすかに肌に感じる空気は少し涼しく感じる。
後方からついてくる実幸の足音がしたのに気付き、醍は進行方向に視線を投げやりに放ったまま口を開いた。
「あー頭はっきりし過ぎてなんか逆に気持ち悪ィな…」
首に掴みながら乱暴に頭をふると、ゴキ、バキ、と音がした。
「醍ちゃんが寝たのにびっくりした…」
案の定後ろから聞こえてくる実幸の返答にあぁ、と醍が声をあげる。
「寝てたのか俺」
自分自身あまりに唐突だったため、そう聞いてようやっとその身に起きていたことを知る。
そして同時にその原因になったのだろう少女を思い出し、小さく呟いた。
「なんだァ?あの女」
「何かキャッチした次の瞬間にはもう爆睡してたよ?」
びっくりした、と付け足す。
「俺もそんくらいから覚えがねェ」
黒く質量のありそうなボブショートに、どこか浮き世離れした雰囲気のある、長い睫に縁取られた目元と、小さく形の良い口元。
腕の内でうごめいた柔らかい身体の感触と、微かに鼻をつく石鹸の香り。
その小さな体を受け止め、その視覚に、触覚に、五感で少女を認知した途端から、醍の記憶はぷっつりと途切れている。
布団に入っていたからか、ずっと人肌を感じていたからか、かすかに肌に感じる空気は少し涼しく感じる。
後方からついてくる実幸の足音がしたのに気付き、醍は進行方向に視線を投げやりに放ったまま口を開いた。
「あー頭はっきりし過ぎてなんか逆に気持ち悪ィな…」
首に掴みながら乱暴に頭をふると、ゴキ、バキ、と音がした。
「醍ちゃんが寝たのにびっくりした…」
案の定後ろから聞こえてくる実幸の返答にあぁ、と醍が声をあげる。
「寝てたのか俺」
自分自身あまりに唐突だったため、そう聞いてようやっとその身に起きていたことを知る。
そして同時にその原因になったのだろう少女を思い出し、小さく呟いた。
「なんだァ?あの女」
「何かキャッチした次の瞬間にはもう爆睡してたよ?」
びっくりした、と付け足す。
「俺もそんくらいから覚えがねェ」
黒く質量のありそうなボブショートに、どこか浮き世離れした雰囲気のある、長い睫に縁取られた目元と、小さく形の良い口元。
腕の内でうごめいた柔らかい身体の感触と、微かに鼻をつく石鹸の香り。
その小さな体を受け止め、その視覚に、触覚に、五感で少女を認知した途端から、醍の記憶はぷっつりと途切れている。