Hello my sheep
伊勢谷君も宇木君も、男女問わず話しかける性格で、クラスの誰とでも仲良く話しているのを見かけた。
そんな二人が普通に、積極的に、私に話しかけてくれるおかげでクラスの子達も私もすぐにお互いに慣れ始めた頃。
入学式から一週間くらいたった頃。
彼が来た。
月曜日の朝。
朝のHRが始まる5分前。
先生が来るまでの時間、図書室から借りて来た本を読む。
本を読むのも好きだけど、行った所の扱う本を見て回るのも好き。
はじめて行った図書館や図書室では、だいたい本を借りる前にただ本棚を見て回る。
奈緒ちゃんに言わせれば、そうある趣味じゃない、とか。
教室のざわめきが大きくなった気がして顔を上げると、教室の入り口に醍君が立っていた。
中一とは思えないオーラを撒き散らして、眉間にシワを寄せた状態でけだるそうに立ってるから、すごく機嫌が悪そうに見えるのか近くの女の子達が怖がって少し距離を置いてる。
容姿も性格も割と目を引く人みたいだから、存在感がすごい。
でも、醍君は奈緒ちゃんやさっちゃんと同じクラスで、このクラスじゃない。
誰かに用事かな。
皆が見てるからなんとなく興味をひかれて見てると、教室を見渡した彼と目が合った。
一瞬、私の耳から音が消えたような気がした。