【短】同窓会―episode 3―
「…ずるいよ。
そんな事言うなんて…。」
気付けば私は、子どもみたいに大声をあげて泣いた。
秋山先輩が死んだ日に泣けなかった、そのときの分まで泣いた。
お墓に供えていたコスモスの花が、私の涙を受け止める。
少し肌寒い秋の夕暮れのなか、私は独り。
独りなんだ。
『行かないで、未葵。』
水城先生の悲しそうな表情が思い浮かぶ。
…やっぱり、放ってなんかおけない。
だって、似てるから。
似てるからこそ、ほっとけなかったんだ。
私はくるりと踵を返し、お墓を後にする。
さよなら…私を幸せにしてくれた人。
今度は私が、人を幸せにするよ。
決意に満ちた強い足取りを、秋山先輩が見てるような気がした。
頑張れ、お前は強いと。