【短】同窓会―episode 3―
私の隣りでいつもながら寝相よくスヤスヤ眠る水城先生を見て、ため息。
ここ最近ため息ばっかりだ。
水城先生に近付こうとするものの、なかなか上手く行かない。
折角の修学旅行も楽しくない。
いや、教師だから楽しむものでもないか。
はぁ、とまたため息。
チラッと水城先生を見ると、少しだけ微笑んでいるようにみえる。
「みさき」の夢でも見てんのかな…?
そもそも「みさき」はどんな子だったんだろう?
そんなことを考えていると、私の肩に頭を乗せる水城先生。
不覚にもドキッとした。
「………病気、よくなるといいな……」
耳元で聞こえる水城先生の低い声。
………病気だったんだ。
私は、少し寂しげな表情になった水城先生の頭を撫でた。
そんな自分に驚き、ハッとなる。
いけない!
生徒にこんなとこ見られたら……。
ここは新幹線の待合室。
いつ生徒が来てもおかしくない。
慌てて離れて立ち上がり、水城先生を起こす。
「…水城先生!」
重たそうな瞼を開け、ぼうっと私を見る水城先生。