【短】同窓会―episode 3―
「すみません、その日は同窓会があって…。」
申し訳なさそうに目を伏せて言う水城先生は、嘘をついているようには見えなかった。
同窓会…。
私の頭の中でその言葉がループした。
同窓会って、まさか、みさきがいた時のクラス?
最近の寝言も、同窓会があるからと考えれば合点する。
そんなことばかり考えていたら、いつの間にか京都から地元に帰ってきていた。
あのあと水城先生となにを話したかなんて覚えてなかった。
私は一体どうしたいんだろう…。
腕に輝く少し安っぽいブレスレットを見る。
それは中学1年生の時に、秋山先輩がくれたもの。
「セールで500円だったから、お前にはそれで十分だろーなと思って。」
とか言って、誕生日にわざわざくれた、プレゼント。
ぶーぶー文句言ったけど、内心は本当に嬉しくて、ずっとつけてるブレスレット。
この間、私を前へと進めてくれた秋山先輩の笑顔が、脳裏をかすめる。
………私、頑張らなきゃ。