未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

「湊がツンデレねぇ……うーん、確かに。
 でも、そもそも吉井に好きなタイプなんてあったの? どっちかって言えば来るもの拒まぬでしょ」


それに対して吉井は、わかってないなぁーと深いため息をついてから、くるっとあたしの方へ顔を向け言った。


「湊ちゃんの “ツン” はいつも見てるけどさ、俺が見たいのは二人っきりになった時の “デレ” なんだけど。
 だからー、これから俺んち来ない?」

「来ない」


即答して切り捨てる。

大袈裟にコケて見せた吉井にリカがツッコミをいれて。そして、あたしの隣で笑う辻之内の声が心地よく響いていた。


「………」


って、ちょっと!

こんな和んでる場合じゃないんですけど!
このままじゃ、絶対レポート仕上げるなんて無理だと思うんですけどーっ!

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