未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
***


「どうぞ」


なんて、自然にエスコートされたけど。まさか二日続けて来ちゃうなんて、思ってもみなかった。

あの後、あたしの手をとって歩きだした辻之内は「といっても、これからどこか行くのもなぁ」と少し考えてから「また俺の家でいい?」って聞いてきた。

特に拒否る理由もないから来ちゃったけど………。


「おじゃましまーす」


昨日より少しだけ緊張せずに中へ入ったあたしは、廊下の奥へ向かって歩きだした。

するとすぐに後ろから肩を掴まれたの。


「今日はそっちじゃなくて、こっち」


辻之内が指さしたのは階段。


「え」


………二階?

それって、もしかして ──

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