未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
今まで一番、密着してるかも……。
教卓の内側へふたり、すっぽりと入りこんでいた。
ここってやっぱり狭いけど、入れないことはないのね……って、関心してる場合なんかじゃなくて。向かい合ってこんなところに納まるなんて無理がある。
あたしの目の前には辻之内の胸があり、それも、すっごい至近距離。
頭の上には、微かな息づかいを感じる。
これって、ほぼ抱き合ってるって感じだよね? っていうか完全にその状態でしょ!
ドキドキを通り越してパニック寸前!
「まったく誰だよーっ」
愚痴りながらマッツンが、後ろから順番に窓を閉めていく。
ガラス戸を閉めて鍵を掛け、内側の扉を閉じる……その繰り返し。
だんだんこっちへ近づいてくる足音と気配に、鼓動がマッハで鳴り響いていた。