未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
「横浜まで、また電車で行くの?」
「電車に乗って、一緒に鍵を開けに行こうよ。何通戻ってきているか確かめに」
「何通届いているかね……ねぇ辻之内、あの封筒の中身は空っぽだったの?」
後ろに顔を向けながら尋ねると、あたしのこめかみに口づけて辻之内が答えた。
「開けてみればわかるよ。だからその鍵、時田が持っててくれない?」
「うん。一緒に行くっ」
校門を出たあたし達は、何度も何度も遠回りをした。
並んで手をつなぎ歩き、たくさんの言葉を交わし、図書館で涼んで声を殺し笑い合って。
公園に立ち寄ってブランコを漕いで………空がオレンジ色に染まっても一緒にいた。