未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
Chapter7
*年上のヒト
「おはよー」
夏休み明けの教室。
日焼けをした子、髪を短く切った子。
ひと夏の思い出を語る女子、この夏の武勇伝を語る男子……。
いろんな景色に、夏のにおいが溢れてる。
そして、黒板の前に群がる数人のクラスメイト。
貼りだされた紙を確認して、少しすると各々歩きだす。
「湊ー!」
「あっ リカ、おはよ。
ねぇ、みんなが見てるあれはなに?」
あたしは黒板を指した。
「座席表だよ。湊はね、窓側の後ろから2番目。いいよねぇ~あたしなんて廊下側の一番前だもん」
そう答えたリカが眉をしかめた。
そっか。休み明けに席替えするって言ってたもんね……。
辻之内はどこになったんだろ? って思って、教室の中を見渡したけどまだ来てないみたい。