未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
慌てて顔を離すと彼は『ん?』って顔で小首を傾げる。


久しぶりに見るその仕草に、ドキドキと鼓動が高まらないわけはなく。


あたし、これがツボだったんだ

って思いだす。




「参るよな…」


不意に辻之内が口にした言葉。



「え?」


顔を上げると、真っ直ぐに見おろしてくるその瞳は優しさに満ちていて。


愛しくて愛しくて、たまらない。


例え、誰かのモノであっても

ココさんのことが好きであっても


それでもいい。


いまこうしてる間は、あたしだけを見ていて。


時間の許す限り、ギュってしていて?


こんなこと思うあたしって、わがままなのかな?


でも好きなの。


好きだから………
< 365 / 406 >

この作品をシェア

pagetop