『想いのカタチ』 (短編小説)
奈々沢:「なぁ…お前 昨日の夜、何処行ってたんだよ」
一ノ瀬:「え?」
奈々沢:「部屋に居なかったろ?」
一ノ瀬:「あぁ…眠れなくて、海見てた。そしたら、寝坊しちゃったの(笑)」
奈々沢:「…ふ〜ん…」
一ノ瀬:「…な、何…?」
奈々沢:「別に」
一ノ瀬:「…明日が最後かぁ…」
奈々沢:「まだ帰りたくないよなぁ(笑)」
砂浜に寝そべって空を見上げた。眩しく輝く太陽が、何もかもを夕暮れ色に染めていく。こんな風に穏やかな時間を感じられるなんて、何て贅沢なのだろう。
奈々沢:「なぁ、蒼…」
一ノ瀬:「ん?」
奈々沢:「何かあったら…何時でも言えよ」
一ノ瀬:「え?」
奈々沢:「…気にすんな(笑)何でもないから」
一ノ瀬:「……」
奈々沢:「(笑)」
一ノ瀬:「…ねぇ…アタシさ…最近 同じ夢ばっかり見るんだよね」