コイビトは
俺が聞き返すと、あ、知らなかったっけ、とリディルルは言って、

「私たち三人、一緒の…バイトしてるの」

「へぇ、何のバイト?」

「それはいえないけど」


あっさりと言われて、俺は面食らった。


「言えないバイトって…」


夜勤、と聞いて俺はてっきりコンビニとかカラオケの店員、という答えが返ってくるかと思ったのだが、そうではないのだろうか。


しかし、冷静に考えて、ラヴィコはまぁ…ともかく、リディルルやライがコンビニは、ちょっとイメージがつかない。


その他で夜勤といったら…




水商売




という言葉が思い浮かんで、俺は否定しようとして…否定しきれなかった。


水商売だとして、一番違和感がないのはライだが、リディルルやラヴィコはそんなイメージが持てない…が、コンビニ店員よりは何故かよっぽどリアリティがありそうな気がした。


「それより」


リディルルは話を変えようとした。

このままバイトの話を続けようとしたくないのが、俺にもなんとなくわかったので俺は素直に彼女の言葉を待った。
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