コイビトは
「元気ない?」



「…え?」




それもまた唐突で、俺は驚いた。



「元…気……って」


「なんか、今日会ったときから…なんて言うんだろ、様子おかしいな、って思ったから」


「そ、そうかな」


俺は内心の動揺を悟られないように笑って見せたけど、あまり上手くはいってないと思う。

彼女は――まったく俺を見ていないようで、実は見ていた…んだろうか。




見ていたと言うよりは、観察されていたのかもしれない。



「……」



二人の間に沈黙が訪れて、俺はそれが少し気まずくて、自然に言葉を発してしまった。
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