コイビトは
時間を確かめようとすると、メールが1通と不在着信が1件表示されていた。


メールは原田さんからで、着信は縣からだった。


原田さんからは


『今日は本当にありがとう。


最後にへんなこと言っちゃって、本当にごめんね。


よかったら、これからも仲良くしてください』


文章だけのメールだった。



俺は絵文字も顔文字も使われていないことに、彼女の切実な思いを感じて、切なくなった。


メールが来たのは、12時前で、おそらくみんなが帰った後だろう。


すぐに返事をしなかったことは、おそらく原田さんをよけいに不安にさせてしまったと思うけど、もう朝の4時が近いこんな時間にメールをしても迷惑だろうと、俺はあとで返事をすることにした。


縣から電話があったのは、12時すぎて、多分家に着いたくらいの時間だろう。


こちらは、留守電も入っていなかったので何の用かはわからなかったけど、重要なことならまた電話が来るだろう。
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